山芋の好きなおじいさんが朝5時から山に入り、
山を二つ超えて、4時間かけて山芋を掘りに行く話がありました。
なんの努力もしていませんが、
丹波の山芋が、おがくずの中で残っていたので、
すりおろして、みそ汁に入れました。
白くてもちもちです。
本のように、きのこたっぷりにしたら、これだけでごちそうになるでしょう。
今では徳山ダムとなった、福井県との県境、
岐阜県徳山村に写真家の大西さんが通っていたときの、
村の人たちとの交流が描かれています。
五合の炊き込みご飯をおばあさんと二人で食べきったり、
ソフトボールくらいもあるぼた餅をいくつも食べたりと、
体を動かす人たちが、自分の手で作ったり採ってきたりしたものを
おいしそうに食べています。
とちの実で作るとち餅は、
とちの実を拾ってから、一か月半もかけて、
お正月に食べるお餅になります。
10年たたないくらい、最近でも、
電気、ガス、水道がないことを不便と思わないで生活している人たちがいました。
日本版の大草原の小さな家、ならぬ、
山奥の小さな家といったところでしょうか。
料理は同じようにまねできても、
永遠になくしてしまったものがあると気づかされる本の一冊です。